スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 1)

  • 早川書房 (2003年10月15日発売)
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本棚登録 : 3892
感想 : 364
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子どもらの通っている小学校から「親子読書のすすめ」なるプリントが届いた。
期間中に下記に取り組んで感想をお寄せくださいとのこと。
①親子で同じ本をいっしょに読む。
②親子で読書タイムをもつ。(それぞれの本を読む)
③子どもが親に読み聞かせ
④親が子どもに読み聞かせ
⑤親子でそれぞれ読んだ本の感想を話す。(あらすじや感想など)

毎年この時期になるとこのプリントが届き、妻からこの対応の役を拝命するのだが、今年(小6娘用)は⑤で自分は本書、娘は『ゴルフ場殺人事件』を読んで感想を話そうということになり、何十年かぶりの再読。

もともといつかクリスティー文庫制覇をしようと目論んでおり、攻略本と共に本書を購入していたのだが、なかなか開始のときは訪れず、寝かしておくだけではもったいないので、試しにと思い娘に手渡しておいたのだが一向に読み終わる気配がしない。
ところがコロナ療養中によほど暇だったのか、手に取ったらおもしろかったらしく、次をくれとなり『ゴルフ場~』を購入したのだが、気が付けばまた停滞。

それならばと、娘の読書の停滞と自分の”いつか病”の打破のため、冒頭の取り組みのため読み始めた。

いやぁ、おもしろい!やっぱクリスティー最高!!(懐かしさ補正込み)
でも、内容は全然覚えていない。

ポアロシリーズで好きなのは何と言ってもヘイスティングズ。
ただでさえこんがらがっている事件の中で、バカが付くほどの正直さ、純真さを武器に、かき回したり、ミスリードに貢献したり、道化をもたらしてくれる。
この抜け作なくしてポアロシリーズの魅力は半減(褒めてます)。

しかし、これが100年も前のデビュー作ですよ。
信じられない。
さすが女王。

「館の女主人が毒殺された、犯人は誰?」っていうだけの話なんだけれど、こでもかというぐらいに話をもつれさせて、誰がどんな事情でそんな行動を取っていて、どんな秘密があるのか、そこで本当は何が起きていたのかを解き明かす過程を完璧なくらいに楽しませてくれる。
そんな都合よくいろんな事情が絡み合うわけないだろと言ってしまえばそれまでなのだが、それさえうっちゃってしまえばもう夢中。
そういう意味ではリアリティーという点では薄いのでしょうね。

さて、次は『ゴルフ場~』なのだが、娘はどんな感想を聞かせてくれるのかな。
犯人は言わないでよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2022年11月20日
読了日 : 2022年11月20日
本棚登録日 : 2022年11月20日

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コメント 3件

111108さんのコメント
2022/11/20

fukayanegiさん、こんにちは。

わ〜とてもいい課題ですね!そして親子の本の選択が素晴らしい!クリスティーを読み合い感想を話すなんて夢のようです。

これが「懐かしさ補正」の正体ですね?内容を覚えてないことも逆にラッキーです。
でも本当に100年前でも色褪せないんですよね。謎を解き明かすまでの過程やワトソン役のヘイスティングズのキャラクターなど読みどころ満載ですよね。

感想を語り合う時、ミステリーではネタバレなしでね!と娘さんに伝えてください♪

fukayanegiさんのコメント
2022/11/20

111108さん、こんにちは

かえって親の趣味に付き合わせてる感満載ですけど、本人も嫌ではなさそうだったので、ゴリ推しで合意にもっていきましたw

本当に読んだことあるのかというくらい、内容覚えてなかったのですが、新訳が驚くほど読み易かったのと、懐かしさの源、ヘイスティングズにやられ、楽しさ倍増(補正かかりまくり)でした。

そう、今回「ネタバレなしでの感想とは」を伝えるのも任務のひとつだと思っておりました。
どこまでがネタバレなのか難しいところなんですけどねー。

111108さんのコメント
2022/11/20

fukayanegiさん

「ゴリ推しで合意」w
もうしっかりミステリーへの道を誘導してますねwでも親子で楽しめてるからいいんです。

ネタバレの定義難しいですね〜とりあえず名前言ったらダメということかな?

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