ミステリー列車が消えた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1985年1月29日発売)
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本棚登録 : 130
感想 : 9
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○12両のブルートレインと400人を犯人はどうやって消したのか?まさにミステリー
ミステリー列車に乗った雑誌記者の津山を見送った乗兼は、到着予定時刻になっても連絡をよこさない津山に不審を抱き、国鉄の大阪鉄道管理局に連絡する。しかし、予定の行程通り、向町運転所に見学者達が来たとして、問題ではなさそうだが、依然彼が来ないことにはかわりない。
一方、十津川は国鉄総裁の木本に呼ばれて国鉄事務所に行き事態の深刻さを知る。実はミステリー列車が全く現れなかったのだ。じきに、現金10億円が身代金として要求される。
250メートルにも及ぶブルートレインと400人の乗客はいったいどこへ行ってしまったのか。

ネタバラシをしてしまうと、250メートルのブルートレインがなぜか向町運転所に戻っているというトリック、これは大胆不敵。そしてもう一つ大胆不敵だったのは、白昼(実際は朝だったが)堂々400人の乗客を消し去るトリックが、新垂井駅でどうやって成し遂げられたのか。しばらくの間この2つだけで推理は進められていくが、それだけでも随分満足のできる内容であろう。
400人と1本の列車を隠したトリックはそれだけで秀逸である。
そして、その後ももう一つ手の込んだ逃亡劇を見ることになる。
このストーリー、なかなか面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(西村京太郎)
感想投稿日 : 2018年6月3日
読了日 : 2018年6月2日
本棚登録日 : 2012年3月19日

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