警視庁53教場 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2017年10月25日発売)
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本棚登録 : 307
感想 : 38
3

タイトルからして長岡さんの教場シリーズを意識しているんだろうなと思って読んだが、内容的には全く違う。
内容的には現代の事件と過去の事件、どちらも警察学校の関係者が当事者で、現代と過去とを行き来しながらその繋がり、事件の真相を手繰っていくというもの。
ただこの関係者たちがどうにも利己的だったり卑屈だったり陰鬱だったりで好きになれない人たちばかりだったので、事件の真相構図以前に、全体的に入り込めなかった。
主役である五味も、若手警察官の綾乃も、もう少し魅力的に描けなかったのかなという思いが強い。
五味を最終的にああいうキャラにしてしまったのも残念だし、五味と義理の娘である結衣との、親子でありながら親子以上の濃密な関係というのも個人的には受け付けられなかった。五味の亡くなった妻もう~んな人だったし。
むしろ高杉の方が人間味溢れていて、こっちを主役にすればよかったんじゃないかと思えるほど。
事件ものなのか、厭らしい閉鎖空間人間関係を描いたドラマなのか、恋愛ものなのか、ちょっとゴチャゴチャした印象だった。
シリーズものらしく続編が出ているが、そちらは五味の恋愛にシフトしていくみたいだし、読まなくても良いかなという感じ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察・刑事
感想投稿日 : 2018年8月13日
読了日 : 2018年8月13日
本棚登録日 : 2018年8月13日

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