僕は、そして僕たちはどう生きるか

著者 :
  • 理論社 (2011年4月1日発売)
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人と会ったり、話したりすると、パワーを使う。みんなで盛り上がる方が楽しいのはよく分かるけど、そうしたくてもできない時や、したくない時もある。でも、そういうのが分からない人や認めたくない人がいて、「盛り上がってないじゃん」なんつって言われて。子供の頃からそれがすごくイヤで、集団での衝突が絶えなかった。「何であんたはそうなの?」って言われても、上手く説明できなくて、結局、選ぶのはいつも孤立だった。『僕は、そして僕たちはどう生きるか』は、そう言う気持ちを上手く表現してくれている。大衆と犠牲。ロックンロール。分かりきったことだけど、社会生活を送る上で、100%の勝利や100%の理解はありえない。大切なのは、この一線だけは譲れないという「何か」を持つこと。投げ出さず、最後まであきらめずに戦ったり、訴えたりすること。梨木さんの本の中では、一番すんなり読めた。題名に負けない、いい本だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年8月21日
読了日 : 2012年8月21日
本棚登録日 : 2012年8月21日

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