台湾生まれの師匠に長年読めと言われていた佐藤春夫のこの短編をやっと読めることができて嬉しい。春夫が旅して書いた100年前の台湾。それは急激な都市化が進む台北ではなく、当時は港町であった台南、霧社事件発生前の霧社、嘉義や日月潭などの田舎町であり、本島人、原住民、そして日本人が入り混じった生々しい人間模様に満ちており、自分も旅した場所で春夫が見てきたり感じたことがその土地の記憶と共に現れてくるようだ。往来が再開したら、この本を手に台南へまた行きたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
中華趣味の本
- 感想投稿日 : 2020年11月15日
- 読了日 : 2020年11月15日
- 本棚登録日 : 2020年9月6日
みんなの感想をみる