童話が持つ残酷さ、不条理さを前面に押し出したリライト。
人間の醜さ、愚かさがつきつけられる。
ただ、不思議なことにそれがどこか清々しい。
露悪趣味に溺れているような感じはないからか。
性愛の問題を扱うことが多いのだが、どこか筆致が冷めている。
が、話に精彩が出てくるのだ。
不思議な感覚だった。
童話のリライトというと、太宰治の「お伽草子」。
あるいは最近(?)では三浦しおんの「むかしのはなし」。
特に太宰の「カチカチ山」と倉橋版のそれを読み比べてみると、作家の個性が歴然として面白い。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年1月5日
- 読了日 : 2023年1月5日
- 本棚登録日 : 2023年1月5日
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