大人のための残酷童話 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1998年7月29日発売)
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本棚登録 : 1166
感想 : 114
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童話が持つ残酷さ、不条理さを前面に押し出したリライト。
人間の醜さ、愚かさがつきつけられる。
ただ、不思議なことにそれがどこか清々しい。
露悪趣味に溺れているような感じはないからか。

性愛の問題を扱うことが多いのだが、どこか筆致が冷めている。
が、話に精彩が出てくるのだ。
不思議な感覚だった。

童話のリライトというと、太宰治の「お伽草子」。
あるいは最近(?)では三浦しおんの「むかしのはなし」。
特に太宰の「カチカチ山」と倉橋版のそれを読み比べてみると、作家の個性が歴然として面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月5日
読了日 : 2023年1月5日
本棚登録日 : 2023年1月5日

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