不動の一万円札の方が書いた、国民皆学を説いた本。
福沢諭吉本人が、
孔子の考えを理解するには、それが書かれた時代の状況を踏まえて言葉を解釈する必要がある
と言ったように、私も本書の考えを理解するにあたり、明治維新当時をなるべく想像しながら読んだ。
強い国家を作るのは独立した国民一人一人であり、独立した状態になるには学問を修め精神的に成熟することが必要であるという主旨。明治維新当時の国民にとっては、生き方の指針を示すバイブルとなったはずだ。バイブル故、基本的な内容であるが、男尊女卑が今よりずっと強い社会の中で、その不合理さを当然のように指摘していて、なかなかできないことだと思い印象に残った。
また、国民の徳と政府の統制の厳しさは反比例するという内容は、昨今のコロナにおける各国の対応のことを考えると納得できる。現代にも通用する話だ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年8月30日
- 読了日 : 2020年8月30日
- 本棚登録日 : 2020年8月29日
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