ツナグ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2012年8月27日発売)
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本棚登録 : 27233
感想 : 2292
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辻村氏の作品は初。聞いたことのあるタイトルと思い購入。ジャンルはファンタジーなのだろうか。
都市伝説ともなっている「ツナグ」は死者に会えることを仲立してくれる使者。死者にとっても、会いたいという人にとってもただ一度だけの面会。もし本当だとしたら誰に使うか悩むだろう。
最初の章はアイドルに会いたい一ファン。無理矢理の設定かとも思ったのだが、ちゃんとお互いに理由があった。長男と母親の章も、最後の日記で長男の長年の疑問が解決する。親友同士の結果は残酷だった。会いたい理由に黒い理由があり、それに対してのお返しも黒かった。
同棲相手との面会は切なかった。7年間の消息不明だった真相は、本当は前向きだったことに救われる。最後は使者の交代の章だったが、全ての章が経緯も含めて繋がった。どうやって死者を呼び出すかや何故無料なのかも分かるし、何より使者を引き継ぐ少年の葛藤に引き込まれる。少年の両親の死の真相も解明できてスッキリした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年8月1日
読了日 : 2022年8月1日
本棚登録日 : 2022年8月1日

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