もういちど読む山川世界史

制作 : 「世界の歴史」編集委員会 
  • 山川出版社 (2009年9月1日発売)
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結論から述べますと、おそらく教科書を買って読んだ方がいろんなことが頭に入ると思います。山川の『詳説世界史B』の教科書の用語をかなり省いて歴史の流れを文章化することに力を入れているようですが、どうせなら重要な単語は太字ゴシックにするなど、アクセントを付けてくれた方が教科書を「もういちど読んでいる」気になりますし、歴史事象について注意して読み取ることができます。普段から教科書を読んでいる人間としては物足りない内容です。確かに最新の研究成果や最近の事象(オバマ大統領など)を取り上げているところは評価できますが、これも最新の教科書を買えばほぼ事足りることです。ただ、コラムにはかなり力を入れていますし、今まで教科書ではあまり取り上げていなかった(少なくとも私は勉強不足で聞いたこと無かった)ことなどもいろいろあって、大いに参考になりました。イオニア人ポリスは小アジアに固まっているのになぜアテネだけ?ギリシア本土にあるのか(この言い方はちょっと語弊があるかもしれません)や、マムルーク朝の君主について、アラブ型・イラン型・トルコ型モスクの特徴などは授業でも大いに使えます。もし高校を出られた方がこの本を手に取るのならば、まずは最新の教科書を通読してから、改めて本書を読むことをお勧めします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2010年2月4日
読了日 : 2010年2月4日
本棚登録日 : 2010年2月4日

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