刺す方、刺される方、両者に等しい眼差しをあて、イデオロギー的に立場を取らず、クールに、しかし情熱的に文章を編んでいく。実に素晴らしいドキュメンタリーだ。ちょっとした一文が優しく、かつ重い。
浅沼は幼少の一時期を除いて、血のつながった人間との「狎れ合った」関係の中で生活したことがなかった。義母という他人、友人という他人。結婚しても子供が生まれなかったから、彼の身の回りには妻という他人、幼女という他人、秘書という他人しかいなかった。234ページ。
みたいな、ちょろっとでてくる、どきりとする文章が。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2012年8月18日
- 本棚登録日 : 2012年8月18日
みんなの感想をみる