女性誌とウェブマガジンに連載された、風変わりな“コント形式の読書案内”の単行本化。
そば屋兼古本屋(!)を営むパオロのもとに、ご近所の婦人がさまざまな悩みを持ち込む。そして、パオロがその悩みを解決する糸口になりそうな本を紹介してあげる、というスタイルで毎回作られているのだ。
パオロ(著者の分身)が落語における「ご隠居」的な賢者の役割で、毎回のやりとりは落語のような軽妙洒脱な笑いに満ちている……と言いたいところだが、正直、コント部分は面白くない。ベタなギャグやボケも多くて、あまり笑えないのだ。
それに、肝心の本の紹介に行き着くまでの前振りが長くて、その分、読書案内としては中身が薄い印象を受けてしまう。
そもそも、コント形式にする必然性があったのだろうか? ストレートに「パオロ・マッツァリーノの書評集」にしたほうが、ずっとよい本になった気がする。読書案内の部分は十分面白いし、ブックガイドとしても有益なものになっているのだから……。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
読書論・書評集
- 感想投稿日 : 2018年10月16日
- 読了日 : 2013年9月14日
- 本棚登録日 : 2018年10月16日
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