国会図書館で2005年から15年間レファレンス業務に従事し、いまは慶應義塾大学でレファレンスサービス論を講じている“調べもののプロ”が、「国会図書館秘伝のレファレンス・チップス」(副題)をまとめて開陳する本である。
先日読んだ類書『調べ物に役立つ図書館のデータベース』は初心者向けで、私にはやや物足りなかった。
対照的に、この『調べる技術』は完全プロ仕様だ。日常的に調べものをする人たちに、一段上のテクを教えてくれる。
(そもそも対象読者層が違うので、どちらの本が上という話ではない。念のため)
ライター 、物書きなら持っておいてよい本だと思う。私は図書館で借りて読んだが、「手元に置いておきたい」と思い、ポチった。
「第5講 見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザ」、「第9講 Googleブックスの本当の使い方」の2章だけでも、値段分の価値は十分あると思った。
この手の本は記述が無味乾燥になりがちだが、本書は著者の語り口もよい。
淡いユーモアとウィット、茶目っ気が随所に感じられる文章で、実用書でありながら読み物としても楽しめた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
知的生産の技術
- 感想投稿日 : 2023年1月21日
- 読了日 : 2023年1月21日
- 本棚登録日 : 2023年1月21日
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