松本大洋の同名マンガのアニメ化。
監督はアメリカ人のマイケル・アリアスだが、日本のアニメである。主題歌はアジカンの「或る街の群青」。
これまでに見たこともないようなアニメだった。恐るべき独創性である。
松本大洋のマンガといえばこれまでに『ピンポン』や『青い春』が実写映画化されていて、私はそれぞれ好きだが、たぶん、松本ファンにとっていちばん納得のいく映画化はこれではないだろうか。
とにかく、映像としてスゴイ。
アニメーション技術的にどうこうということはよくわからないのだが、絵としての構図と動きが、旧来的な“アニメ文法”とはまったくかけ離れた感じで、すこぶる斬新。舞台となる「宝町」を、上へ下へ、右へ左へと「神の目」のごとくダイナミックに飛び回るカメラワークが快感だ。
CGを駆使しながらも過度に無機質にならず、手描きのあたたかさを感じさせるところもよい。
松本大洋のマンガから飛び出してきたような「不気味カワイイ」キャラクターたちが、精緻に描きこまれた無国籍タウンの中を駆け回る。キッチュな色遣いも絶妙。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アニメーション
- 感想投稿日 : 2022年12月24日
- 読了日 : 2008年8月6日
- 本棚登録日 : 2022年12月24日
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