ボトルネック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2009年9月29日発売)
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本棚登録 : 13744
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最終章までの290ページが長い冒頭の様に思える程、ラスト7ページに凝縮された物語だった。綺麗にまとめず、絶妙な部分を曖昧にして終わる結末は、まるで筆者から「想像して!」と言われている様だった。

この想像をするのがとても楽しい。ここに書くと恐ろしく長くなってしまうので書かないが、本書には考える材料が随所に散りばめられている。そのヒント達は一つの答えに誘導することがなく、読者の想像力をひたすらに膨らませてくれるのだから面白い。

読み手によってバッドエンドにもなるし、ハッピーエンドにもなりえる。
ちなみに私はまだ楽しく悩んでいます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 米澤穂信
感想投稿日 : 2013年3月9日
読了日 : 2013年3月6日
本棚登録日 : 2013年3月6日

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コメント 2件

kwosaさんのコメント
2013/04/30

ギンジローさん

フォローありがとうございます。

僕も米澤穂信さん、好きですよ。
最新作『リカーシブル』やっと読むことができました。
おっ『ボトルネック』のレビューが......
なんて思っていたら以前に拝読していたようです。

>読み手によってバッドエンドにもなるし、ハッピーエンドにもなりえる。

面白いですよね。
ちなみに僕はハッピーエンドと思いたい......

ときどき本棚を覗かせて頂きます。
これからもよろしくお願いします。

TKさんのコメント
2013/04/30

kwosaさん

こちらこそ、フォロー・コメントありがとうございます。

米澤さん良いですよね、特に追想五断章が好きなのですが、ボトルネックは正にリドル・ストーリーで結末が考えるのが楽しかったです。

確か始めはバッドエンドだと思ったのですが、最初から読み直して状況を整理していく内に、まだ手遅れになっていないのではと考えました。もうひとつの世界で多くの事に気付いたリョウなら、きっとハッピーエンドにしてくれると僕も思います。

こちらこそよろしくお願いします、本棚を眺めた所、自分が読みたい本(特に「ぼくのメジャースプーン」)が色々あったので、今度読んでみますね。

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