単純に夢をつかもうとか前に歩いていこうというタイプの歌にはリアリティを感じないので、いきものがかりは苦手なグループだが、敵ながら、メロディラインの強さは圧倒的で、つい聞き入ってしまう。
吉岡のボーカルは影がなく、人生に挫折したとか、失恋でめそめそしてるという状況にあわない。常に前向きでなくてはならない。といった王道路線で、これも嫌いだが、シンプルな曲調、メッセージをてらいなく出して失速しない。いつまで続くやらと思っていたら、いつまでも続くんですね。これが。
オリジナルアルバムだけど、ベストアルバムじゃないのというくらい知ってる曲が出てくる。シングルになってない曲の一つに「白いダイアリー」という曲があって、
珍しく失恋を扱ってる。
♪さよならの言葉さえも 大切な宝物
やさしさとぬくもりをくれたから
「いつまでも忘れない」ってほほえんでくれた
届けたい あなたに出会えて しあわせだったと
ところが後半になると
♪いつだってあなたがいた あの頃を越えてゆこう
時間(とき)といま歩き始めたいから
遠ざかるあなたの影 風になって消える
泣かないよ 私の明日を輝かせるから
と立ち直って、明日に向かって歩き出す。少しは休めよと思うが、とにかくがんばる。
曲を作っているのは、水野良樹と山下穂尊で、パラードが水野、アップテンポが山下と思っていたら勘違いで、ヒット曲の大半はテンポに関係なく水野良樹なんですね。サウンドやリズムに依存せずひねらないオーソドックスなメロディづくりでよく続くなぁと感心する。
- 感想投稿日 : 2012年5月23日
- 読了日 : 2012年5月23日
- 本棚登録日 : 2012年5月23日
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