典型的お涙頂戴もので、あまり好きにはなれない。六子と青年医師のどんでん返しはだまされたが、茶川竜之介と淳之介のミエミエのケンカはもう読めてしまう。高校生が大学に行かず執筆活動をするというのがピンとこない。漫画誌の読み物など片手間でもできそうだ。別に暮らす意味も分からない。スポーツと何かと勘違いしていないか。泣かせるためだけの泣きの芝居もどうかと思う。
どのキャラも薄っぺらで、シンプルに徹している。リアルな人間ドラマというより、昭和をノスタルジックにとらえるという中でのドラマ展開なので意図的に安っぽい人情噺にしているのかもれしない。キャラクターは書き割りのようにステレオタイプなのだが、ホトの書き割りのほうは、高度なCGを組み合わせて見応えあるものになっている。これは一つのSFの世界なんですね。CG以外にちょっとした小物までこだわりでいっぱいだ。また、オリンピックのバレーの試合は白黒放送だったというような細かいリサーチもしっかりしている。
そうした昭和の風情を楽しむため、ドラマは分かりやすく分かりやすくつくってあるのかもしれない。
医者が殴られるシーンや、「結婚の承諾は青森の親がするもので、おやじにその権利はない」とチャチャを入れる息子など、細かい所で面白いところがある。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2019年6月29日
- 読了日 : 2019年6月29日
- 本棚登録日 : 2019年6月29日
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