なんだかすっきりしない。どこか気持ち悪い。
裁判員制度が完全な制度ではないのは分かる。「国民の声を反映する」と言いながら、裁判官が評決をリードするのも分かる。
ただ女性裁判員がスーパーウーマン過ぎる。母親の介護に追われ、「あと五年は生きるな」と発言する碌でもない男に結婚の望みを託して婚活に失敗する。それと裁判中の状況がえらく違う。まるで別人。他の裁判員も彼女に感化され過ぎ。ミスリードされているように感じる。
家族に迷惑をかけたくないから、嘱託殺人を依頼する老婆。アルツハイマー病の兆候があって今更家族のもとに戻れないからと、強盗殺人で刑務所に入ってそこで介護してもらうホームレス。どちらもある意味自分勝手ではないのか。
小説だから変な言い回しだが、登場人物たちが「芝居がかっている」のが、より気持ち悪い。演出家に同じ思考を強制されているよう。強制的に予定調和に向かわされて、多くの疑問と後味の悪さがあった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年11月18日
- 読了日 : 2015年11月18日
- 本棚登録日 : 2015年11月17日
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