「おませ」だったなマルジの、ヤングアダルト以降の物語。
前編に続き後編でもそのぶっ飛び具合のアクセルを緩めることがないマルジです。大学生になりパーティー、麻薬、恋愛と傷心、そしてイラクへの帰国。またパーティ三昧(当局のをかいくぐる)、そして結婚と離婚。
これが本当にイスラム革命後のイランでのことかと思うと本当に魂消ます。
というよりです。むしろ人の内実はそれほど文化によっても変わらないのかもしれないなあと。勿論、マルジのケースはかの国では大いに例外ではあるとは思います。でも彼女の「こじらせ」具合ってのは、なんというか、若気の至り的な失敗に見えるのです。ある意味若者あるある的な。
でもマルジのいいところを自身を客観視できていること。運命論や神の御業とか言い出さないし、自分の非を認めているところが人間として尊敬できるところです。
だからこそ、本作品は一層人を勇気づける力があるのではないか、と思います。
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戦争があっても、宗教の締め付けがきつくても、人種差別があっても、離婚しても、それでも前向きに生きることが出来る。そんなメッセージを勝手に受け取りました。
勿論周囲のサポート(含む金銭的)に恵まれたからこそ、再出発も切れるのかもしれません。それでもなお、逆境を笑顔で切り抜けるしたたかさと強さ、そしてユーモアには脱帽でありました。
ちょっと落ち込んだ時とかに、おすすめしたくなる本です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史・文化
- 感想投稿日 : 2023年2月4日
- 読了日 : 2023年1月30日
- 本棚登録日 : 2023年2月4日
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