ロードス島攻防記 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1991年5月29日発売)
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本棚登録 : 1408
感想 : 121
5

歴史に興味があるわけではなく、聞いたこともない島での戦いを綴ったこの小説は、家に読むものがなくて渋々読み始めた。
やっぱり読み始めは、外国の慣れない単語、宗教、歴史、地理などと興味が湧かず頭に入っていかないのだが、途中からだんだんとパズルが繋がっていき、面白くなってどんどん読み進めた。
1500〜1530年のどこの国というわけではない、ロードス島という特殊な背景にある島で起こったひとコマの物語。あらすじを読んだだけでは絶対に読みたいと思えない小説が、ドラマチックに描かれ、エンターテイメントであるのと同時に観光、地理、歴史書の類いでもあると言っていい。
何より、著者の状況説明や背景の描写が素晴らしく、読者だけ置いてけぼりにならない。歴史をよく理解していないとできない所業だろう。

とにかくお勧めしたい本。ロードス島へ行ってみたくなるだけではなく、ヨーロッパの歴史や宗教を面白く理解するのに適した一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年6月3日
読了日 : 2016年6月3日
本棚登録日 : 2016年5月26日

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