会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書 や 3-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (2007年11月1日発売)
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投資関係で著名な山崎元氏によるキャリア指南書。
山崎氏は12回転職しており、結果として年収アップとスキルアップを経験できている。
その転職の考え方などに関して示されている。

山崎氏の本は投資関係では結構読んでいたがキャリアの進めに関する本は始めて、いかが参考になったポイント

 日本における収入階層は「エクイティ階級(資本家)」「ボーナス階級(ボーナスが非常に大きいスペシャリスト的な職業)」「サラリーマン階級」「フリーター階級」の4つ
 収入にかかわる要素は「リスク」と「代替性のない仕事をしている(需給的な要因)」こと
 会社は個人の面倒を見れるほどの能力はなく、数十年先のことなどほとんどわからない
 2年は会社の先を何とか見ることができ、個人の能力アップということから考えても程よい期間
 転職先とは自分を買ってくれる取引先の変更
 転職時に重要になる考え方は「顧客」「スキル」「企業から見た取り換えの容易さ」「個人からみた職場の確保のしやすさ」
 収入に関して大事なのは「収入とは自分の仕事への評価なのでおおきに関心を持つこと」「他人と比べないこと」
 一般的に年齢と人材価値が連動すると思われるので年を取ること自体がリスクでもある
 若いときは目先の収入や会社のランクよりも仕事内容できめたほうがいい

投資関係の本同様、転職に関しても非常に理論的なので投資関係の本をよんで彼の文章に好感をもてるなら読んで損はないと思う。

本書でも年長者がいいがちな「石の上にも3年」のような精神論は一切なく、非常に転職というものを合理的にとらえているし、石の上にも3年の代わりに「時は金なり」と言っている点も非常にクレバー。彼自身が12回転職しているのでこういった考え方を好意的に見るバイアスもあるが・・・

スキルアップやキャリアの方向性を大まかに考えるにはいいと思うが、転職12回は一般的には多すぎだろう。またスキルなどが目に見える仕事でないと彼のように転職し、かつ給与を上げていくのは難しい。彼はキャリアコンサルのプロではなく、あくまで自分の経験談を話しているに過ぎない点も注意しておきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2017年7月21日
読了日 : 2017年7月21日
本棚登録日 : 2017年7月21日

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