砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書 276)

著者 :
  • 岩波書店 (1996年7月22日発売)
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感想 : 256
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砂糖という世界商品(モノ)の生産・動きによって世界史を捉えようというもの。著者は世界システム論と歴史人類学の考え方で書いたという。プランテーション、奴隷貿易、イギリスのコーヒーハウス、イギリスでの奴隷制廃止と関税引き下げをめぐる攻防、ビートの開発など目まぐるしく歴史は動いていくが、その中で見えてくるのは世界システムの強烈さと無慈悲さだ。ヨーロッパ人たちの欲望が歴史を作り、今の後進国の悲惨さを生みだした。産業革命当時の労働者たちの生活も悲惨だったことだろう。それでも、奴隷制は廃止され、人々の生活は改善された。歴史はいい方向に向かっているのか。この世界システムというものが変換しないと同じことの繰り返しかもしれない。この世界システムというものが独り歩きし、我々の生活がそれに隷属してしまっているのではないだろうか。今の世界商品は何?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2021年1月5日
読了日 : 2021年1月5日
本棚登録日 : 2021年1月5日

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コメント 11件

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/01/06

goya626さん
「この世界システムというものが独り歩きし」
グローバル企業が効率化の名の下に行っていますよね。
種苗法改悪とか、国も加担している。。。

goya626さんのコメント
2021/01/06

nyancomaruさん
恥ずかしながら寡聞にして種苗法改悪を知りません。アメリカの企業が種を独り占めしてそれを売って儲けているのと関係あるのかな。世界システムというのは、経済が人間の生活を支配してしまっていることだと思います。富める者はさらに富み、貧しきものはさらに貧しくなる不幸なシステムだと思いますが、さりとてどうすればいいのか。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/01/06

goya626さんの仰言る通りです。
猫が読む予定なのが、、、

https://booklog.jp/users/nyancomaru/all?category_id=2372105&status=all

goya626さんのコメント
2021/01/07

情報ありがとうございます。ふーむ、農家の自家増殖の禁止なんて、裏に大企業の陰謀が働いているような。考えすぎなのか。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/01/07

goya626さん
更にご参考までに
種苗法改定案が可決、"タネ"問題を考えるドキュメンタリー3本 | MOVIE Collection [ムビコレ]
https://www.moviecollection.jp/news/57719/

モンサントと親会社バイエル、知っておくべき5つの事柄 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3186001

goya626さんのコメント
2021/01/08

「沈黙の春」は古い本ですが、まだまだ農薬の問題は深刻? 禁止されれば、次々新しいのが開発されるので、いたちごっこでしょうか。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/01/09

goya626さん
レイチェル・カーソンが警告を発した化学物質系は、今では殆どが禁止されているようですが、遺伝子組み換えによるモノは、今後どう影響するか見えないのが恐いですね、、、

goya626さんのコメント
2021/01/09

遺伝子組み換えの影響は、今人体実験中ということでしょうね。老い先短い私はいいにしても、子どもたちが心配です。人類の変異体が生まれたりして。こういう冗談はいかんかもしれませんが。

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/01/09

goya626さん
ゴジラとか思い出します。
あ!ウルトラセブンでお蔵入りになっている作品も、darkavengersさんに今度訊いてよ、、、

goya626さんのコメント
2021/01/09

ウルトラセブンはなんかシュールでしたよね。darkavengersさんて、ブクログの人?

猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2021/01/11

goya626さん
はい。darkavengersさんはブクログの方で、興味深い本を色々と、、、

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