英国庭園の謎 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2000年6月15日発売)
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本棚登録 : 2895
感想 : 205
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火村英生と有栖川有栖を主人公とする連作短編集で、どれもトリックを眼目において書かれている。長めの表題作はトリックというより暗号解読という面も強いが、それなりに読みごたえがある。いわゆる謎解きを中心とした本格推理というのかもしれない。ただ、いささか時代遅れという感じもしないではない。人間の心理の盲点をついたものや人間の本性を真ん中に据えた複雑なミステリーのほうが、私としては充実感がある。探偵役の火村英生の個性もちょっと弱いかなあ。それがいいという人もいるかもしれない。それに、トリックが解明されても、決定的な証拠にはなり得ていないのではないかと思う。気楽にトリックを楽しむということで、この作者の小説はもう少し読むかなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2020年4月13日
読了日 : 2020年4月13日
本棚登録日 : 2020年4月13日

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