『ブロークバック・マウンテン』を同性愛の純愛映画とするなら、『ミルク』は同性愛の社会問題を描いた作品。どちらも同性愛の認知を高める良作だが、『ミルク』は実在の人物の話なので訴えかけるものが大きい。舞台は激動の70年代。マイノリティへの賛同が深まると同時に反対運動も激化した中で、希望を捨てずにゲイの権利を叫び、逆行に負けずムーヴメントを起こしたミルクに深く感動。
彼や彼を取り囲む人物の内面描写が秀逸で、普通なら単なる悪役で描かれそうなダン・ホワイトの殺害までの内面もちゃんと見えている。実在の人物ハーヴェイ・ミルクを真に迫りながら細やかに演じたショーン・ペンや、他の俳優陣の好演も光る作品。真実が欠くことなく、見事にドラマティックに脚色されていて、最期に考えさせられることは大きい。
ガス・ヴァン・サントが久しぶりに王道な映画製作をしていて、最近の作品にはまらなかった人でも観やすいので、是非。長文且つ乱文、悪しからず。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
洋画
- 感想投稿日 : 2012年2月26日
- 読了日 : 2012年2月25日
- 本棚登録日 : 2012年2月26日
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