赤緑黒白 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2005年11月15日発売)
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本棚登録 : 3413
感想 : 249
5

これは…凄い。伏線の女の子の正体と最後の仕掛けは予想していたけれど、S&Mシリーズを読んでいたからこその興奮。

やはり…四季シリーズは読んでから次に進むべきかもしれない。

何なんだろう…この人たち。

真賀田四季のように自身の能力と理想、根源的な人間存在としての明確な自己解答を持って「向こう側」へ行ってしまった人たちと、紅子や保呂草や犀川のように「向こう側」の人間と本質的にまったく同じでありながら、まだ悩み苦しむことを続け、解答を保留したまま「こちら側」にとどまる人たち。

この人たちを描く意味は何なんだろう。森博嗣の真意を知りたい。読み続けなくてはならない。もはや抜け出せない。なぜなら、これらの天才たち(あるいは潜在的犯罪者資質を持つ者たち)は、例外なく美しく、そうして気高く、私を惹きつけてやまないからだ。

私の中では森博嗣の各シリーズは、ミステリィではない。どんなジャンルをも突き抜けた、人間存在の不思議と神々しさ、危うさとある種の完璧さに慄然とさせられてしまう。

また会えた。そうしてこれからも会えるだろう…真賀田四季。楽しみだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年4月11日
読了日 : 2014年4月11日
本棚登録日 : 2014年3月30日

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