続編があるのだろうと思わせられる作り。
しかし、そうなるためには
もっとこの第1作を作りこむべきだったのでは。
私たち夫婦は 建築士と一緒に一年かけて
新居のデザインをした。
この作品はドラマにこだわるあまりに
住宅設計に大切な要素をおざなりにしている。
そのままにしておく…元に戻す…
意表を衝くプランニングのように聞こえるが
それは設計でも家づくりでもない。
過去にこだわるあまりに
そこにこれから何十年も住む人の
現在とそれに繋がる未来を見る
想像力に欠けている。
古民家の良さや日本式建築の良さは
その機能にこそある。
意匠の価値などは
機能を追求したその涯に
付帯的に生まれたものに
過ぎないのではないだろうか。
百年を超えて在り続ける日本家屋の魅力は
見た目でも郷愁だけでもなく
人の暮らしを支え続ける「力」にこそある。
建築が果たす本来の役割に迫るものを
この物語からは感じられなかった。
当然、謎も謎解きも魅力不足。
作者はもっと建築を学ぶべきだと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年12月30日
- 読了日 : 2015年12月30日
- 本棚登録日 : 2015年12月22日
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