デビュー作の『震雷の人』で松本清張賞を受賞した千葉ともこさんの新作は、玄宗皇帝時代の唐を舞台にした英雄譚だ。
名家の嫡男・崔子龍と幼馴染みの王勇傑、杜夏娘の3人に加え、“天童”と呼ばれる若僧・真智の運命が複雑に絡み合う。玄宗は楊貴妃にうつつを抜かし、権力を握った辺令誠や楊国忠に好きにされている。そんな折、安禄山が挙兵し唐は窮地に陥る。
崔子龍はその名前から三国志の趙雲を連想させ、そんな描写もあるが、むしろ劉備のように優柔不断で苛々する。真智は切れ者だが武力はない。裏切りや絶望の果てに彼らを待つものは……。
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- 感想投稿日 : 2022年6月10日
- 読了日 : 2022年6月10日
- 本棚登録日 : 2022年6月10日
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