かんなぎ 2 (REX COMICS)

著者 :
  • 一迅社 (2007年2月9日発売)
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感想 : 17
5

舞台は架空の町、神薙町。(宮城県はアニメのロケ地のみ)
原作のロケ地は三重県志摩市の波切神社とその周囲。何故、三重県志摩市かは1巻目のレビューを参照こと。
2巻目からはギリシャ神話も加わり、かなり複雑に絡んでくる。

2巻目からは、仁の争奪戦が始まる。何故争奪戦になるかと言うと、大黒様ご一家物語だから。
大黒様(千手観音菩薩)=大国主=大己貴神=仁で、ナギがその正妻、比売神(イチキシマヒメ=タギリヒメ=妻)=三穂津姫(本妻)=スセリ姫(本妻)、ざんげちゃん+白亜=タギツ姫(妻)、つぐみ=八上姫(最初の妻)と言う仕組み。度会神道を使っているので、タギツ姫も妻になる。
この千手観音菩薩の祀られている桂昌寺の前にあるのが「絵かきの岬」と言う観光施設。これがスタードライバー輝きのタクトのヘッドの元ネタ。「ヘッド」が「岬」と言う事。ハワイのダイヤモンドヘッドになぞらえている。従ってヘッドのスターソードもダイヤモンド。タクトの母はソラ(魔法使いに大切なことのソラのパロディ)なので、かんなぎではざんげちゃん+白亜がタクトの母になる。
ざんげちゃん+白亜=ARIAの水無灯里=アクアマリン(エメラルドの1種)でスターソードの1つがエムロード(エメラルド)とリンクさせている。大己貴神とタギツ姫の子は一言主なので、タクトのモデルは韋夜社の一言主と言う事になる。御利益は大きな願いをかなえる事。ざんげちゃんは聖母マリアなのでその息子がイエスキリストで、胸の十字と言う仕組み。これがスターソードのサフィール(スターサファイア・十字に輝く)と言う繋がり。

第七幕はナギの木の秘密と春日社の比売神(ナギ、ざんげちゃん+白亜)、ペルセポネ(ざんげちゃん)の回。
なぜ、ざんげちゃんかと言うと、ペルセポネと同一視されるのが聖母マリア。故にざんげちゃん。恋敵を足蹴にしたという神話を使っている。ペルセポネに気が付くには5巻まで読み進まないと気が付きにくい。
第八幕はナギのもう一つの姿、御厨(みくりや)の神、豊受大神の回。
神饌の神でもあり、料理が上手い神でもあるが、神饌なので味が無い。何故伊勢エビ料理かと言うと、地元の代表的な料理であるため。
このパロディが、「青の祓魔師」でも使われている。青の祓魔師には「おとめ妖怪ざくろ」のパロディも組み込まれている。「青の祓魔師」の構成はナギとざんげちゃん+白亜の子供たちを参考にしている。兄がアジシキタカヒコネ(=暗淤加美・ナギの息子)、弟がアメノワカヒコ(アジシキタカヒコネのそっくりさん=下照姫の夫)、しえみが下照姫(=罔象女神・ナギの娘・アメノワカヒコの妻)。かんなぎの波切神社の民話の元が、ギリシャ神話のアルゴ船の神話そのもの。これにアジシキタカヒコネ、アメノワカヒコ、下照姫をかんなぎに同様当てている。
アルゴ船の船員のカストルとボルックスの双子と言う仕組み。青い炎はセントエルモの火と言う事になる。「サタンをぶんなぐる」はスタードライバー輝きのタクトのパロディ。仁に相当するヘッドをタクトは出会いざまにぶん殴っている。登場人物(同級生)は賀茂氏所縁の地名(志摩、出雲など)を名前にしている。
第九幕、十幕は素戔嗚神(怜悧)の回。単純に親子関係の回でもある。
第十一幕はナギのもう一つの姿、アルテミスの回。ナギがアルクエイドの姿にハマってしまうのは本人が月の女神であるため。
第十二幕はダンダラボッチ(大鉄)の回。志摩市のダンダラボッチの伝説がモデル。民話では、色々な事をダンダラボッチが吹き込まれてしまうという話。実際に吹き込んだ張本人は仁とナギの息子である。
大鉄は、ギリシャ神話では、タロスに相当し、ナギと仁の息子はイアソンに相当するが本作では民話の方をとっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年7月12日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年7月11日

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