拉致され1年間監禁された小4女子。犯人がなぜ自分を監禁したのか、助けてくれるはずの人は共犯だったのか。相手の欲望を想像する「性的人間」となった彼女は作家になり、そして失踪する。支配されることへの安心感、想像されることへの屈辱。人心の面妖不可思議さの渦に飲み込まれてしまう。
登場人物がみな、言葉足らずな感じで、言葉の信ぴょう性が揺らぐ作品。それだけに異様に想像力がかき立てられた。グロテスクな窃視はだれもが好むところではないかな(私だけ?)。ひといきに読んでしまった。解説にある谷崎の『鍵』との関連がなるほどな、と。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月9日
- 読了日 : 2022年9月9日
- 本棚登録日 : 2022年9月9日
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