青柳稟さんの感想・レビュー

求ム! 理想の年下上司 (アプレコミックス)

著者 : 多々田ヨシオ 芽獅

• ソフトライン 東京漫画社 (2017年2月17日発売)

続編の『もっと！ ～』とあわせてシーモアにて読了。
祖父の会社に入社した主人公(ノンケ・天然ドS)。いずれは社長の座を手にするため、まずは信頼出来る優秀な部下を集めることとなる。
『御庭番』と呼ばれる社内随一の狡猾男(ドM)、ビビりではあるが仕事に真面目なアイデアの宝庫(キュート担当)──無意識に発する圧力によりあまり馴染めずにいた会社の中で、人心掌握していく。

主人公・音野は社長になることを目的に行動し、変態部下たちの欲求を極力手軽に最低限の範囲で満たしてやることで優秀な人材や社外秘の流出を抑制しているに過ぎず、作中両想いなどは存在しません。ハーレム(？)ものギャグ。
御庭番・服部が利己的ドMなため、音野が先を汲みすぎた結果、巻を越え回を追うごとに暴走する。対してキュート担当・風間くんは度重なるショックから吊り橋効果により、ショックを音野への恋心に変換することで徐々に強かに成長し、業績を上げていきます。
続編の内容を見ても、風間くんなくしてはもう、この会社は……音野はダメでは……と思えてなりません。経緯は不憫ながら優秀すぎる……。

無印が課長編、もっと！が部長編なので、このまま社長になるまで読み続けたい気もしますが、このスピードで変態が増えゆくのはなかなか過酷な気もします。どうなってしまうのか。知りたいような知りたくないような……。
悩ましい作品です。

感想投稿日 : 2019年4月2日

読了日 : 2019年3月30日

本棚登録日 : 2019年3月30日