伊坂幸太郎さんの短編集は珍しいかも!と
軽い気持ちで読み始めた
『アイネクライネナハトムジーク』
ん?なんですと?
カタカナ名を避ける為に世界史でなく日本史を選んだ私には全く馴染めないタイトル
これも伊坂さんの術中なのか。恐るべし・・・
短編集といえども侮るなかれ!
本作は「連作」短編集なので、心して読まないと登場人物の多さと、複雑に連鎖していく人間模様が圧巻の構成力をもって、どんどん迫って来る。
途中何度も人物相関図を頭の中で描いて、何とか読み進められた。
伊坂さんお得意のウィットに富んだ会話は、今回はやや控えめな印象。でも個性的な登場人物は健在で、直ぐに本線を脱線しては戻って来る伊坂節(すみません、勝手に名付けました)もお手のもの。飄々と掴みどころの無いキャラクター達に魅了された。
更に、いつもの犯罪や殺人(これがいつもというのも驚きだが)といった要素はゼロで、珍しく恋愛も描かれている。なかなか面白かった。
メインテーマは「出会い」と「繋がり」かな。
ただ、伊坂幸太郎さんの初読みには避けた方がいいのかもしれない。短編らしからぬ複雑さで、良くも悪くも翻弄されます・・・笑
それと、今回はちょっとあれこれ盛り込みすぎた感が否めなかった。ラストの小刻みに繰り返される時空移動は、好みが分かれると思う。私もタイムマシーン酔いしそうだった。
例外として、
斉藤和義さんファンと
ボクシング好きにはオススメ♪
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年2月21日
- 読了日 : 2024年2月21日
- 本棚登録日 : 2024年2月9日
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