昭和の名将と愚将 (文春新書 618)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年2月18日発売)
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感想 : 35
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対談形式で読みやすい。
出身地など個人のアイデンティティや戦争に関係ないエピソードの話も多く、居酒屋で話す会社の人事裏話のような話も多い。

昭和の戦争の是非や負けた戦争に名将も愚将もあるのか?と言うことは置いておいて、現代にも通じるリーダー論として読んでみた。
優れたリーダーの資質は色々あるが、愚かなリーダーの定義は非常にシンプル。

名将:
①理知的、兵士から畏敬念で見られる人、論理的にものを考える、陸大の恩賜の軍刀組(腰巾着)以外、駐在武官経験者、幼年陸軍学校よりも一般中学出身
②自分で決断、目的を明確に伝える、情報を自ら掴む、過去の成功体験に囚われない、焦点の場所に身を置く、部下に最大限の任務遂行を求める

愚将:
責任ある立場で最も無責任だった将軍


戦争に至った背景:
明治以降の軍人が海外で戦争して賠償金や権益を獲得する構造が不幸。
政党政治の不況や恐慌に対する無策。
満州事変以降の国民世論、新聞やラジオが煽る。
官僚による国体民微運動や過度な西洋文化排斥。
玉砕、特攻は本来の日本の文化ではない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年1月13日
読了日 : 2023年1月13日
本棚登録日 : 2023年1月11日

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