アヘンを基幹産業とし、存在が「善悪の彼岸」にあるビルマ・ワ州。そこへ単身で乗り込みアイ・ラオ(物語る長男)として著者が過ごす約7ヶ月間の記録である。
特に著者の類稀なる行動力には脱帽する。文化や慣習を理解する上で「情報」は重要だが、自ら経験することでしか得られないものもあることを再認識させられた一冊。
『上空から見下ろした俯瞰図』となりがちなジャーナリズムの手法ではなく、『手触りを感じ』られるルポ形式を取っているため、予備知識の乏しい私のような読者でもスイスイ読める。
私の常識や日常とは大きくかけ離れており、ページをめくる手が止まらない。
著者の尊敬に値するところは、その知識量や才筆もだか、何よりも「自分の目で見て経験する」して本作品を完成させているところだ。
『多くのジャーナリズムというのは上空から見下ろした俯瞰図だということだ。べつな言葉に置き換えると、客観的な「情報」である。』それと比較して、本著は筆者曰く"手に触れることができる"ことができるため、ミャンマーについて無知な私のような初心者にも入りやすい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション・エッセイ
- 感想投稿日 : 2021年9月2日
- 読了日 : 2019年10月13日
- 本棚登録日 : 2021年9月2日
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