同作者の「キノの旅」と比べる形のレビューとなる。
キノの旅は基本的に社会や人間の矛盾や風刺を凝縮したようなユニークな国々を旅して回る物語であるが、時折単純に冒険物といった話もある。本作アリソンはその冒険物の話しを一冊という長さまで広げた本である。
主人公のアリソンとヴィルは、キノの旅においてのキノとエルメスを連想させる。キノとエルメスの要素を混ぜ、2つに分配すれば今作の主人公二人が出来上がるであろう。準主人公である、人物も正確こそ違うもののキノの旅でのシズを連想させる。
物語は非常に読みやすい冒険ものである。世界観や二人が住む国についてなど必要な描写に手を抜いていないながらも必要最小限にとどめているのでさくさくと読める。キノの旅では銃器に関しては非常に描写が細かいが、今作ではそれに加え飛行機に関する描写も細かい。王道冒険物といった感じで、子供でも読めるのではないだろうか。それでいて面白い。決して先が予測できる様な陳腐なものではく、とても楽しめた。物語のエピローグはちょっと都合がよすぎるように思えたがそれも良し。
キノの旅にハマった人は読んで損はしない物語である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年7月26日
- 読了日 : 2013年7月26日
- 本棚登録日 : 2013年7月26日
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