弥勒世 上 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2012年2月25日発売)
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本棚登録 : 144
感想 : 11
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不夜城・鎮魂歌以来の傑作。痛くてヒリヒリと焦燥感をあぶる1969年、返還前の沖縄を舞台に、いつもの馳星周の世界が展開される。
「いつもの馳星周の世界」ではあるんだけど、沖縄の中の差別や戦果アギャーなどの裏面史を背景に彩ることで重層的な世界が広がって、重厚感に昇華されている。
この本を読む前に佐野真一の「誰も書かなかった沖縄」を読んでおくと面白さが増す、というか読んでないと背景世界に浸れないかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2013年8月29日
読了日 : 2013年8月29日
本棚登録日 : 2013年8月29日

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