花の薫りが仄かに漂う吐息で紡がれた、儚くも悲しい三篇の物語。草花や動物に温かな眼を注ぐ詩人ジャムの綴れ織りは、全編が散文詩のようで花々が美しく咲く繊細な世界だ。描かれる三人の清らかな少女達に訪れる悲しみは、愛を求める乙女心や優しさ故であったと思う。少女達を取り巻く大人も様々だが、ジャムの分身のようなダスタン侯爵の慈愛溢れる庇護には心洗われる。悲しくも生命への讃歌に溢れている。
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- 感想投稿日 : 2014年1月28日
- 読了日 : 2014年1月29日
- 本棚登録日 : 2014年1月28日
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