なんだかんだ面白い。某少年誌でダラダラと連載されてるような作品に比べればよほど毎巻楽しみ
何がいいってやっぱり終わりに向かって話がしっかり進んでいくところ。10巻前後までは謎が謎を呼ぶ展開でかなり正直かなり意味深だったけどやっと物語の全貌が見えてきた気がする。果たして王の記憶とは一体なんなのだろうか.....。そして最後に残るのはこの漫画のタイトルにして最初で最後の謎「巨人」とはなんなのか。自然発生したものなのか、それとも人為的なものなのか、だとしたら目的はなんなのか、それらの疑問が分かりかけているようでまだ判然としない。次巻ではライナーやベルトルトも登場するようだしその辺がどうなるのか楽しみ
この作品の面白いところは「正義」が存在しないこと。何故なら今のところ謎になっている初代王の記憶というものが実は本当に人類の平和を願ったものなのかもしれないから。だとするとエレン等一行は一転してテロリストということになってしまうだろう。
ずっと巨人であることを隠し大量殺戮をしていたライナーやベルトルトは悪なのだろうか、人類を陰から支配していたレイス家は悪なのだろうか、考え出すとキリがないが少なくともこの作品では絶対的な「悪」としては描かれていないと思う。何故なら誰もが自分の「意志」に従って行動しているからだ。「外の世界を見たい」という夢、「人類の平和」という目的、「故郷に帰りたい」という希望、それぞれがそれぞれの心に従って行動しているのだ
リヴァイ兵長の「正しいことかどうかなんて後になってみないとわからない。自分の意志に従え」というセリフがそれらを象徴している。いってしまえば進撃の登場人物はどれも自分のエゴで動いているのかもしれない。でもだからこそすごく人間らしいしキャラクターとしても魅力が抜群に出るんだと思う
物語が進むたびにそれまでの印象がガラッと変わるからつい読み返したくなってしまう。次巻も楽しみだ
- 感想投稿日 : 2015年8月8日
- 読了日 : 2015年8月8日
- 本棚登録日 : 2015年8月8日
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