栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック (角川文庫)

  • 角川書店 (2013年5月25日発売)
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本棚登録 : 1545
感想 : 108
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 外出自粛期間に安値で買った本。「ビブリア古書堂」に出てくる小説をまとめたもの。長編はさわりの部分だけなので、もやもやする人もいるかも。
 
*「ジュリアとバズーカ」
 「しんどいなあ」と思ったし、最後に浄化されればいいなとお天気な事を考えたりもする。この後に「晩年」が来たら、私しんどかった。
*「落穂拾い」
 そのまんまだ!と目からうろこ。なんだかいいなあって最後思った。
*「せどり男爵数奇譚」
 わー気になって仕方がない!!!と思ったので、後日読むことにする。
*「クラクラ日記」
 実はこれが一番の目当てで買った。ここに収録されているのは「闇市にて」のみになるけれど、安吾が優しすぎか!!!と思わず叫びたくなった。今まで坂口安吾の作品はいくつも読んできたけれど、苦しかったろうけれど、優しい姿は新鮮過ぎてよかった。これも全部読みたいので、引き続き探す。
*「たんぽぽ娘」
 2度読んで震えた。間違えてたらどうしようという不安が一気に消えた瞬間が良すぎた……。2人のこの先も幸せでありますように。
*「春と修羅」
 言葉と世界が独特すぎて、不思議な感。少々かみ砕くのに時間がかかった。
*「晩年」
 「道化の華」が収録されている。ちょうど同時進行で読んでいた「人間失格」を再読し終えた後に読んだ。ここが「人間失格」への始まりだと思う。津島修治の人生はこの作品の完成形を作り出すことを主目的としていたのかもしれないと思うと、あのタイミングで死んでしまったのは彼にとって良いことであったのだろう……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2020年
感想投稿日 : 2020年8月2日
読了日 : 2020年7月31日
本棚登録日 : 2020年6月8日

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