知らないと恥をかく世界の大問題2 角川SSC新書 (角川SSC新書)
- 角川マーケティング(角川グループパブリッシング) (2011年3月10日発売)
『知らないと恥をかく世界の大問題』の続編の役割も担う第二弾。
「おわりに」を拝見すると、時期が2011年2月とのことで、前著から1年4か月後に振り返る、2010年を中心とした世界です。
リーマン・ショック後の米国の低迷、BRICsの登場・発展、自然災害から、民族・宗教・資源をめぐる対立、そして、2009年8月に50年ぶりに政権交代となった民主党政権の迷走ぶりなどが、幅広く、軽快に解説されています。
本巻でも、「おさらい」や「解説」といった形で、この時代のトピックスやその構造、トピックスにつながる歴史・背景など、基本的なことが分かりやすく紹介されています。
本筋の流れに付随するものとして解説されたポイントは、ざっと挙げただけでも以下のとおり:
・普天間基地問題の歴史
・日本の領土・領海問題(含む北方領土問題)
・米国の量的緩和
・通貨安競争
・為替介入
・中国の政治体制
・エジプト問題
・人民元のドルペッグ制
・エルニーニョ/ラニーニャ現象
・イスラム教
・TPP/FTA/EPA
"深堀り"とまではいきませんが、なんとまぁ幅広く、かつ、要点を抑えて分かりやすく解説いただいています。
前巻と同じような記載もありますが、その分、様々な観点から繰り返し触れることで、記憶への定着度も上がるように思います。一種の復習効果かな。
また、前巻と異なるなぁと感じたのは、筆者の主張のようなものがより積極的に感じられたことです。
読者に語りかけてくるような印象。
「今、この瞬間」の、より深く・広い理解につながる現代史。
知らないと恥をかくかどうかまでは分かりませんが、本シリーズを通じて、もっともっと知りたくなる現代史です。
- 感想投稿日 : 2016年12月13日
- 読了日 : 2016年12月13日
- 本棚登録日 : 2016年11月26日
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