沢木耕太郎の紀行録 3冊目(そろそろ少し飽きてきた)。ようやく出発地のインドに到達した沢木は、普通の人間ならカルチャーショックを受けかねないような「インド」に相対して、しかし、なにごともなかったかのように同化し、さらに旅を続ける。
インドは、人を選ぶ国だ。僕の友人にもインドにハマる人と、「二度と行かない」という人に二極化する。ハマる人の言い分を聞くと、ありとあらゆるものからの解放が心地良いのだと言う。沢木も、左手で尻を抜き、右手で飯を食う生活に「物からの解放」という言葉を使っている。「二度と行かない」という人の言い分を聞くと、とにかく不潔だという。解脱できた人と、できなかった人の違いであろうか。近年 IT 産業が隆興する一方で、カースト制の名残りを完全には拭い切れないなど、さまざまな矛盾をかかえるインドは、依然として旅行者にとって憧憬の的のようである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2012年8月11日
- 読了日 : 2012年8月11日
- 本棚登録日 : 2012年8月11日
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