2016年上期の芥川賞受賞作。受賞時はかなり話題になったので、いつか読みたいと思っていたのが、Kindleの文春フェアで半額になっていたのを見つけて購入、読了。これは評判通りの傑作だ。
コンビニという生物の細胞として生きるアスペルガー的な主人公が駆使する語彙が何よりも魅力的で、細部の描き込みも丁寧。同じく細胞の一つと信じていた店長やバイト仲間の人間的な面や、同族とも思えた白羽の社会的体裁に対する要求に戸惑いつつ、一風変わった「自我」を再発見するまでのプロセスは、逆説的に読者を不安にさせる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2017年4月30日
- 読了日 : 2017年4月30日
- 本棚登録日 : 2017年4月30日
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