韓国併合への道 (文春新書 86)

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  • 文藝春秋 (2000年1月20日発売)
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なぜ韓国が70年以上も経った今でも日本を恨み続けるのか。私はいつまでも許そうとしない韓国を毛嫌いするだけでなく、そこに至った経緯を知る必要があると思いこの本を読んだ。韓国は、欧米列強からの脅威にさらされ、時には中国に、またロシアに依存するという事大主義をとっていた。また当時の李朝-韓国は、自ら独立を果たすほど国としてまとまっていなかった。長い間清の属国であることで脅威から守られていた。日本もまた自国の利益のために韓国が列強から支配されることを嫌い、最初は韓国独立を助けることを目指したが、日本政府の方針も変わり続けた。日本も中途半端に強国でなければよかったとつくづく思う。併合ではなく初めは合邦を目指していたが、結局は併合という協定を交わしてしまった。当時の日本が欧米と同様の覇権主義であったことに深く反省させられる。またさらに反省すべきは併合後に、日本が朝鮮人を、一視同仁として扱うとしていたにもかかわらず、劣等視し、圧迫していたということだ。現在の文政権が当時の併合を許した親日派を一掃すべきと言った3.1での演説が何であったのかが少し理解できた。しかし、100年前の日本人と現在の日本人は考え方が全く異なることを理解して、争いのない隣国になれたらと願う。過去の歴史が痛ましいものであったけれど、これらの歴史があったからこそ今がある。過去は変えられないが未来はこれから作っていくことができる。

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感想投稿日 : 2019年3月6日
本棚登録日 : 2019年3月6日

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