バイバイ、ブラックバード

著者 :
  • 双葉社 (2010年6月30日発売)
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感想 : 933
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カテゴリを悪い男にしたものの、星野ちゃんは悪いと言うより人が良すぎて…というところ。

イチゴ狩りでギャルも狩り、映画のように突然車の前に立ちはだかったり、キャッツアイもどきの犯行を阻止しようとしたり、女優の飲んでいるスポーツドリンクの味を知りたがったり、結果五人の女性と同時並行で交際してしまう星野ちゃん。

金はなく、知らない間にとある権力者の怒りを買ってしまい、「あのバス」に乗せられてどこかへ送られる運命にある彼は、身長180cm体重180kgの(多分)女 繭美に監視されている。

繭美同伴で星野ちゃんは五人の女性に会いに行く。「彼女と結婚するので別れてくれ」と。

「あのバス」に乗り込んだ人間はもはや人間ではなくなってしまうほど恐ろしい場所に送られる、その組織や目的地は明かされないままで不完全燃焼の感もあるが、このお話は素敵だと思う。

悲惨なはずの星野ちゃんの運命、なのにくすりとしてしまう伊坂さん流のエピソードが詰め込まれている。

「同情」や「色気」「可愛い」などの言葉を塗りつぶした辞書を持ち歩く繭美を次第に好ましく感じてしまうのも良い。

太宰治の未完作「グッドバイ」を参考にしているらしいと聞き、「グッドバイ」も読もうと誓う秋の夜長。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 悪い男。
感想投稿日 : 2012年11月12日
読了日 : 2012年11月12日
本棚登録日 : 2012年11月12日

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