殺人犯はそこにいる (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2016年5月28日発売)
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本棚登録 : 5912
感想 : 560
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スゴイ本でした。
これがジャーナリズムであり、これこそがジャーナリストなんですね。
しかし、政府や警察、検察、司法の対応の不味さや杜撰さ、組織の対面が優先する隠蔽体質の怖さをまじまじと感じました。彼らにすれば日々巻き起こる無数の事件の1つでしかないのかもしれませんが、事件の当事者になるかも知れない我ら一人一人からすれば人生を左右する一大事なんだから、国家権力側は国民の安全を守るために徹底的な捜査や調査を遂行し、正義を執行してくれるはず…と考えちゃいますよ。それが裏切られるなんて信じたくはありませんよね。それにいい加減な判断や偏向した対応が明らかになった上での見苦しい逃げ口上なんて聞きたくありませんよね〜

しかし、執念を持ってこんな大変な調査をやり遂げてしまう熱意というか、思い込んだら一途に前進し続けられる不屈さってどこから湧き上がってくるんですかねぇ〜ほんと少しでもいいから見習いたいものです。
今度は作者の「南京事件…」を読んでみようと思います。
素晴らしい作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ドキュメンタリー
感想投稿日 : 2017年4月2日
読了日 : 2017年4月2日
本棚登録日 : 2017年4月2日

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