人間の女の子に恋した白猫の「シロ」、もとい「タマオ」が猫が十年に一度手にする能力で夜の間だけ人間の姿になれる力を身につけ、色んな人と交わり、命を全うするまで。
「事実は存在しない、存在するのは解釈だけである」というニーチェの言葉を信条とするなんて、なんと素敵な猫ちゃん。
タマオの前に現れた、同じく人の姿になれる猫「イヴ」。彼女のひたむきさには涙がこぼれそうになった。なぜ彼女は「京都」で手紙を書き続けるのか。21歳の彼女が二度手にした「能力」は何だったのか。
誰かを必死に想って、愛して、たとえそれで身が滅ぼうとも構わないとすら思う。ここまでの強い感情を私は誰かに持てた事があるだろうか。
表紙に描いている赤い傘をもった猫の意味が最後になると分かります。タマオが迎えたまっ白い最後はあまりにも美しく、心に残った。
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- 感想投稿日 : 2014年10月22日
- 読了日 : 2014年10月21日
- 本棚登録日 : 2014年10月22日
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