螺鈿迷宮 上 (角川文庫 か 52-1)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング (2008年11月22日発売)
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シリーズものは別著者を何作か挟んでから。
登場人物や関係性を忘れず、飽きず、シリーズものを読み込みたい私なりのルールである。

主人公は登場大学医学部落ちこぼれ医学生、天馬大吉。なんともめでたい名前の持ち主。しかし天馬の人生はアンラッキートルネードと異名をつけられるほど不運続き。
記者である幼馴染・別宮葉子から、碧翠院桜宮病院へボランティアと扮して潜入捜査を行なってほしいと依頼を受ける。
桜宮病院の経営は、院長の巌雄、妻の華緒、双子の小百合とすみれの一族で行われている。
外観からでんでん虫と称されていた同病院には黒い噂が絶えなかった。夜な夜な砂浜を歩き回るというウワサ。死体をむさぼり喰うというウワサ。雨の夜に海に向かって泣き声を上げているというウワサ。そして、でんでん虫の触覚が虹色に光るというウワサ。

潜入した天馬は、例に漏れずアンラッキートルネードへ巻き込まれていた。骨折、打撲、切り傷、熱傷…全ての原因は看護師の姫宮。とにかく、トロいのだ。
そうして天馬は患者という立場に変えて調査を再開することとなった。
ここでは患者も社員として業務を行うこと、厳雄から聞く桜宮病院の歴史、薔薇の知らせが来た患者は次の日に死ぬことを知る。
前日まで元気だった患者が、次々と死んでいくのだ。
桜宮で死を迎えた患者には必ず解剖をするという。その後葬式を終え、火葬まで半日も経たずに行ってしまう。気味の悪い手際の良さ。おかしい。ここには何かある。

そんな中、例の白鳥が現れる。今作では皮膚科医としてご登場だ。
白鳥姫宮コンビ、アンバランスに見えて実は相性がいいんだろうなぁ。姫宮、見ている分には楽しいので非常に好きだが実際いたら絶えられない…

下巻へ進む。

今回白鳥は出てくるものの相棒・田口は出てこず、代わりに待望の氷姫・姫宮が登場する。
個人的には田口白鳥コンビ(欲を言えば田口速水も推したい)が好きなので、バチスタシリーズだけを読むことも選択できたが桜宮市の全てを知っていたほうが絶対に面白い。
桜宮サーガ全体としては刊行順=時系列というわけではないので、読む順番は非常に迷うシリーズなのだが今回は刊行順で進めてく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年4月2日
読了日 : 2023年4月2日
本棚登録日 : 2023年3月26日

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