ナイチンゲールの沈黙(下) (宝島社文庫 C か 1-4 「このミス」大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社 (2008年9月3日発売)
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感想 : 489
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瑞人の父親はどのようにして変わり果てた姿となったのか。前巻に続き加納玉村、そして田口白鳥コンビが紐解いていく。
アツシ、瑞人は手術を受けるのか。由紀の運命は。盛りだくさんな下巻。

瑞人を子供に戻してくれたのは紛れもない、アツシ、由紀、そして小夜である。
これで良かったんだと思えるラストだった。
でもやはり、子供の死は辛い。

内山医師の対応は小児科医というか医師としてどうなのかと思うが、奥寺教授の「医師だって人間だ。決して万能ではない。」というのは刺さった。
休みたい時もあるし、嘘をつく時だってある。ミスもある。いつから患者の立場である私たちは、医師に100%を求めるようになったのだろう。決して治して当たり前、元に戻して当たり前、ではないのに。

読み始めて40ページほどで、ロジカルモンスターもとい白鳥圭介が登場!
最初から白鳥ワールド全開で場を乱していく。本人はお構い無し、子供にも容赦無し。しかしそこがいい。
今後も活躍してくれる加納や玉村も出てきて再読者としては桜宮市がどんどん広がってきてワクワクした。

バチスタシリーズ大好きな私としてはこちらも大好きな作品ではあるのだが、ミステリとしては少し物足りなさを感じた。
犯人は読んでいれば分かる構造なので、一緒に犯人探しをしたい!という方には向いていないかも。
読み込めていないだけかもしれないが、音楽やDMAなどの力を目の当たりにしたことがないので想像しにくかったかな、というのがある。モヤモヤしたまま読み進めた。
次はジェネラルをと思っていたが、解説で螺鈿迷宮をとのことなのでそちらを。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年3月8日
読了日 : 2023年3月8日
本棚登録日 : 2023年3月2日

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