八甲田雪中行軍遭難事件を描いた作品。
遭難中の描写が思いの外淡々としていて、悲惨ではありますがグロくはありません。
寧ろ組織の在り方や問題点を描くことがこの小説の主眼なのかな?
組織=明治の軍隊を題材にしていますが、書かれたのが昭和の高度成長期末期なので、企業に勤めるサラリーマン達が共感できる内容となってます。
組織の体面、危機管理、絶対的な序列、部署間の対立、上層部と現場との齟齬、不祥事発生時の世論対策などなど、それらが二人の大尉、所謂中間管理職の在り方や行動に影響し、結果として彼等を含む多くの隊員達の運命や評価を左右してしまう。
色々考えさせられますね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
■ 小説
- 感想投稿日 : 2014年5月23日
- 読了日 : 2014年5月21日
- 本棚登録日 : 2014年5月21日
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