洗脳論語

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  • 三才ブックス (2011年11月23日発売)
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『血肉となっている思想を疑う』

時代の宗教は「それを宗教だと思っている人がいない」ことが特徴らしい。
あまりにも浸透した思想は「それが数ある考え方の一つに過ぎない」ことを忘れらてしまうからだ。

日本人の多くは自分のことを無宗教だと感じている。
もしくは日本人は「日本教徒」だという人もいる。面白い意見だとは思うが僕はちょっと違う風に考えている。実は日本人は儒教の信者なのだ。

学校で授業がある「道徳」。
この言葉は道教の「道(タオ)」と儒教の「徳」を組み合わせてできている。
言葉だけここから取ってきたのではなく、日本人の道徳心そのものが儒教の思想に彩られている。
あまりにも血肉化しているため、自分たちの考えが「宗教」によって作られたものに気付くことができないでいる。

論語で語られる思想は根本的に差別が含まれている。
君子と小人は生まれながらに決まっており、小人は決して君子になることができないとはっきり言っている。
これは人を生まれで差別する危険な考えだし、法治国家である日本で許してはならない思想だと僕は考える。

儒教に潜む問題点を三国志を舞台に描いた『蒼天航路』と一緒に読んでほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 機能脳科学
感想投稿日 : 2011年12月13日
読了日 : 2011年12月12日
本棚登録日 : 2011年12月13日

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