PK (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2014年11月14日発売)
3.20
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本棚登録 : 7830
感想 : 579
3

伊坂幸太郎 著

読み始めは、伊坂さんらしいテンポで、こちらも
テンポよく読み進めていたが…「PK」で、その展開を追って着地点を見つけようとしていた。
えっ!「PK」からの「超人」ヒーロー系に…それからどうなるの?って、謎を追ってる最中に、一旦、物語りは終わる そして…これは続いてる話しなのか分からなくなるように「密使」にストーリーは変化してゆく「これが、こうなります」と言われても…何がどうなったのか?物語のつながりが、よく見えてこない、面白いが理解するのが、難しい内容だった。
解説で大森氐があかしてくれる内容で得心した気分になれた それぞれの物語がどのようにつながっているのか、また三作品をひとつにつなぐため自分で発見するのが楽しいが…何がどうなっているのかよくわからなくて読み終えたあとモヤモヤしている人、わかったような気がするけど答え合わせしたい人がいるかもしれない…と(まさに、読み終えた今の私の心境ではないか、、って思ってしまった(笑)今まで読んだ伊坂さんの作品は色んな伏線を散りばめながら、最後に自分の中でも、きっちり伏線が回収出来る内容が多かったから…この作品については、自分の中で、纏まりが、つかなくて、もう一度読まなくは理解し難い点があったので、自分の解釈が信用出来ない気持ちが残った)で、突っ込んだ解説を書いてくれていたので、なるほどって落ち着いた。
「臆病は伝染する、そして勇気も伝染する」アドラーの引用といい
「ひとりひとりはいい人たちだけれど、集団になると頭のない怪物だ」
「人生を楽しむには、勇気と想像力とちょっぴりのお金があればいい」
チャップリンの引用など…素晴らしい!この作品の鍵になる内容を言い当ててるようだった。
作中にこんな言葉があった…
「私は嘘をつくことが嫌なのではありません。それを誰かに強要されることが嫌なんです」
その言葉は的を得て、真っ直ぐ自分の中に入ってきた…。
伊坂さんは本当に想像力豊かだ!とあり得ないような事を実はあり得ると思わせるところが巧みだし、でも、現実に置き換えて、あり得なくないかもしれないなぁとか…
ヒーローの存在とかあり得てほしい…それを信じる自分でいたいとかって感じてしまう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年5月3日
読了日 : 2020年5月3日
本棚登録日 : 2020年5月3日

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