きみはポラリス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2011年2月26日発売)
3.34
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本棚登録 : 22248
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三浦しをん 著 

すべての恋愛は、普通じゃない。2人にしか見えない光、それが宇宙で一番かがやく。
どうして恋に落ちたとき、人はそれを恋だと分かるのだろう。
三角関係、同性愛、片想い、禁断の愛……言葉でいくら定義しても、この地球上にどれひとつとして同じ関係性はない。けれど、人は生まれながらにして、恋を恋だと知っている──。
誰かをとても大切に思うとき放たれる、ただひとつの特別な光。カタチに囚われずその光を見出し、感情の宇宙を限りなく広げる、最強の恋愛小説集。

不思議な力のある本です。
11の短編が収録されており、全て恋愛小説であるこの作品…
恋愛だけの作品集なんて、あんまり得意じゃないと思ってた自分でも、とても引き込まれてしまい、気がつくと読み終わっていた。
三浦しをんさんは、鋭い観察眼と言おうか、心のひだをひとつ、ひとつ、丁寧に描き出してくれる作家さんだと思う。

日常にないような出来事でも、何か心当たりがあるように感じられて、読み進めてしまって…
それは何?って疑問が沸々湧く中、読了した後に…
中村うさぎさんの解説が、そんな思いを解放してくれるように得心出来た。

中村うさぎさんの解説が、この作品の情景を映し出すだけじゃなく、核心を突いて心に迫ってきた、うさぎさん、作家さんだけあって、やはり流石です!

私は、この作品について感じた感情を言葉に出来ないし、レビューする事すら難し過ぎるので、代弁してくれたように感じられた。
驚きに満ちたことも淡々と、微妙な感情も解説を通して、すーと入ってきた(o_o)
言葉にして解説を出来るとはすごいなぁとしか言いようがない。

中村うさぎさんの解説を引用したいところだが、まだ本作を読まれていない方の為には、
引用しない方がいいだろうと思う。
私はいつも、解説は原作本を読んだ後に読むと決めているのだが、最初に読まれる方もいらっしゃるようなので…(それは人それぞれ)しかし、本作に限っては特に…?読後に読んだ方がいいように感じました。
読んでいる時に、少し自分の中で、引っかかっていた気持ちを見事に解釈へと導いてくれた解説だったから。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月13日
読了日 : 2021年11月13日
本棚登録日 : 2021年11月13日

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